主訴:生理痛・PMS 鍼灸治療 ひのき堂川上はり灸院症例
患者Sさん(40代 女性)
初診2021年10月
症状 生理痛が重い(下腹部痛・腰重・頭痛・便秘と下痢をくりかえす・倦怠感)
PMS症状(生理前のイライラ・怒り・不安感)
脈 弦脈(すじばり)・濇脈(ざらざら)

初診時治療
脈がすじばりを現す弦脈と流れの悪さを現す濇脈がでている。
生理前で症状が辛く仕事を休んだ。
お腹全体がすじばっていて緊張感を強く感じた。また、首や肩など筋肉の筋張りも強く、骨盤の硬さ、足の冷え、などの所見。
すじばり、緊張を緩める事と血を流す事を主眼に治療を行い、下腹や骨盤周り、足、には温めるお灸をじっくり行った。
2021年10月15日(2度目の治療)
治療をした日はどっと疲れが出たような感覚があったようで、早めに眠気があり、休んだ。次の日は(生理初日)だったが体が軽く、スッキリしていた。生理2日目はいつも重さ、痛みが出るが、下腹部痛、下腹の重みはいつもより軽く、頭痛はなかった。
現在、生理終わりかけだが鍼灸治療を受けて初めての生理は出血量が多く、スッキリした感覚だったとの事。
PMS症状に向け1週間に1度のペースで治療を行う。
考察
生理痛・PMS鍼灸治療
生理痛は体質や生活習慣によって3つのパターンがあります。大きく分類すると血不足(血虚)と血流の滞り(血滞)です。血不足の方は力が出ない、冷え症状、ふらつき等を現す事が多く、血流の滞りの方は血熱と言って熱を孕み発散不足になっている事が多く、ジャンクフードなどを体が求めたり、怒りで発散したいと些細なことでもイライラします。
Sさんのような方は2つの複合のパターンです。
血不足にはよく休息を取れるようなツボ、手技を行い、血停滞には血流促進を助けるツボ、手技を行います、複合型は両方を行います。
それにより症状改善を期待できます。
治療はひと月(週1の治療ペース)生理周期に合わせ行う事が多いです。
PMS症状はホルモン変化が大きく関わっている為、精神面に影響します。治療も定期的に行う事でホルモン変化と体のちぐはぐが合致してきて、症状の軽減を見込めます。
生理痛・PMSの対処は主に鎮痛薬・生理抑制・ホルモン治療になると思います。
当院にご来院される方は、この3つの対処に抵抗があったり、効果のでなかった方が多いです。
是非、その他の選択肢として鍼灸治療が有効である事を知って頂きたいです。
2021年10月21日
PMS症状に対しての鍼灸治療は血を充実させる事を主に施術。具体的には肩首頭のコリを緩める、呼吸を深くする、睡眠の質、下半身の血流を促進する事をサポートする作用のツボを使い施術した。
生理までの3週(3回の治療)で行った。
2021年11月20日
PMSの症状は以前より軽かった。
生理が来るまでは少し渋ったが来てしまえば痛みもほぼなく、以前のように仕事を休む事はなく、スッキリと過ごせた。生理前の気持ちの浮き沈み、イライラは若干あるが、体は楽だった。