脈を診る意義と治療方針
お知らせ
なぜ脈を診るの?
当院では、症状の現れている部位関係なくお脈を必ず診ます。脈を診るより悪い所を先に診てくれと思われる方がいるかも知れません。
私自身も治療を受けていたらそう思います。
しかし、まず脈を診るには理由があります。脈にはとても多くの情報が隠されており、沢山の体のサインが、脈の打ち方や強さ打つ早さ等から読み取ることが出来るのです。
治療の目的は、根本から治すことです。確かに今現れている症状を改善することはとても重要なことだと思います。ですが、もっと重要なのは、その症状がどうして出て、どのような病理であるか、そしてそれを出ないような体の方向性を持たせてあげる事だと考えます。
例えば、慢性的に肩こり、首こり、頭痛の方がいたとします。
その場合、肩こり、首こり、頭痛を緩めてあげる事はもちろんですが、それだけではきっとまた少し経つと同じ肩こり、首こり、頭痛が出現してしまいます。
そこで、お脈を診る必要性が出てきます。肩こり、首こり、頭痛と言う症状とお脈の整合性を取っていきます。そこからなぜ肩こり、首こり、頭痛が現れているかを考察していきます。脈の打ち方が早く、力強く売っていた場合には熱があると判断します。この熱は風邪の時の熱とはイメージが少しだけ違い、体の中の熱量を指します。東洋医学では陽気と表現します。
そして、脈には五臓六腑の配当がされており、それぞれ肝、心、脾、肺、腎の機能に問題がある時には配当された部位の脈が異常を示しています。同じ肩こりでも肝が悪い人と腎が悪い人では治療法(使うツボ)が異なります。
先ほどの肩こりで脈の打ち方が早く、力強い(陽気の旺盛)人で、腎の配当部位で問題がある人でしたら、腎は下半身(足腰)をつかさどり、体の中の機能としては水として冷やす働きがあります。つまり、腎の機能が落ち体をしっかり冷やすことが出来ないために熱が上昇して肩こり、首こり、頭痛などの症状を呈していると考えてツボを選びます。この場合、治療の目的は腎の冷やす力をしっかりと機能させてあげる事です。こう言った治療を続けていくとだんだん腎の機能がしっかりしてきて、熱をしっかり冷やすことが出来る体になっていきます。
そうなれば、肩こり、首こり、頭痛などになりにくい体になっていきます。
このようにお脈を診る意義を考えているために必ず脈診をして治療を進めていくのです。