不眠、寝付き、寝起きが悪い
原因
寝られない原因は、体内時計が不規則、日中の活動の質の悪化、環境(体温調節や就寝までの流れ)が悪い事などがあります。東洋医学では日中全身を巡った血液が肝に戻って貯蔵される状態がぐっすり眠れている状態とされています。肝に血液が戻れないことが寝られない原因であるとも言えます。
①肝臓のバランスの乱れからくる不眠、寝付き、寝起きの悪さ
肝臓と聞くとお酒と関係していると連想されるかもしれません。東洋医学では、肝の主な働きとして「血を蔵する」と言う事があります。血液を貯蔵する銀行みたいな臓器とイメージして頂ければわかりやすいと思います。つまり肝臓のバランスの乱れとは血液の流れの乱れでもあります。人は生活のリズムという物を規則的に持つことで体もそのリズムに応じて活動します。血液の流れ方はそのリズムに従って流れる物ですから、リズムが壊される要因や、血液の流れが阻害する要因などがあると夜、肝に血液が戻っていかず寝られない、夢が多いなど症状が出てきてしまいます。その要因は以下のものが挙げられます。
✓イライラ、良く怒る、ストレス
✓よく脳や眼を使う
✓運動不足、日光を浴びない
✓夜スマホやパソコンなどを長い時間している
✓寝酒をする
②陰陽のリズムと質による不眠、寝付き、寝起きの悪さ
意外と見落とされがちなのが日中の活動についてです。
睡眠だから寝る前や寝起きの過ごし方が大事だろうと言うのはもちろんですが、それと同じくらい活動している時間も睡眠に大きく関わってきます。毎日仕事をしていれば大体同じ時間に出勤して同じ量の仕事をこなします。リズムはよく整っていると言えます。ですが、大事なのは質です。生体の法則性として陰と陽というものがあります。陰(静かな気)と陽(活発な気)は相互的なもので、お互いに影響し合ってバランスを取っています。1日のタイムラインに従い考えてみると昼(陽の気)と夜(陰の気)になります。つまり、昼に陽の気をしっかり発揮させてあげる事は夜に陰の気を活発にして良い眠りに導いてくれると言う事です。
③体温調節と不眠、寝付き、寝起きの悪さ
人は入眠する時に深部体温が下がります。
省エネモードになると言えます。暖かい状態を作っておけば体温も下降しやすくなりますので、入眠しやすくなります。寝る前や夕食に冷たいものを食べたり、クーラーなどで冷えたりする事は睡眠にとっては良くない事です。寝る前は体を暖かくする環境作りや工夫なども必要になります。
対処法
重要なのは肝の働きと血の巡りです。
血液をスムーズに流す為に、お風呂にゆっくりつかる、食べ物で暖かいものを食べる、辛味で血行促進、などが効果的です。また、イライラや怒鳴るなどは肝に良くないですから出来る限り押さえましょう。出来れば、朝、日の光を浴び運動を軽くするのが好ましいでしょう。昼寝も午後のパフォーマンスを上げてくれるのに効果的ですが、なるべく10〜25分の間で就寝8時間前までにするのが理想です。夜は活動モードから省エネモードに切り替わる工夫をする必要があります。要はリラックスタイムをしっかり持つことです。
この様なリズムが体に定着してくれば陰陽のバランスが整い質の高い睡眠に導いてくれるでしょう。
鍼灸治療による対処
睡眠は脳がどれだけリラックス出来るかで眠りの深さが決まってくると思います。鍼灸ではとにかくリラックスさせる事を念頭に治療を行います。脈や体の状態から陰陽のバランスをしっかり持たせる事で自然に眠れ、さわやかな朝を迎えられる体にしていきます。
治療回数目安(程度や環境にもよりますのであくまで目安です)
6回〜