主訴:関節リウマチ・関節変形 鍼灸治療 ひのき堂川上はり灸院症例
患者Kさん(60代 女性)
初診2022年5月
症状 手指関節の痛み、関節こわばり、左肘関節骨折後変形
脈 弦脈(すじばり)・濇脈(ざらざら)

初診時治療
脈がすじばりを現す弦脈と流れの滞りを現す濇脈を感じたので、緊張を緩める事と流れを促進する事を主眼に鍼とツボを選び、手法を行う。
左肘の骨折後は上腕側と前腕側の関節が縮こまりがあり、関節の際や筋肉や筋の緊張がある部位に鍼とお灸を行う。関節の痛みが強く、料理が出来なかったり、細かい作業が出来ない状態なの で、詰めて治療をする必要があると伝え、週2日で様子を診て頂いた。
2022年5月から8月までは週2日の治療を続けて頂きました。全てを記載する事は出来ないので、ダイジェストで記載↓
2022年5月12日
リウマチ因子2000以上
CRP119(炎症マーカー
3キロほどの物を持ち関節の痛みが増す。発熱もあった。
2022年5月19日
手の腫れは相変わらず。
治療をすると怠さがでるが痛みは良くなっている
2022年5月25日
薬が増えて調子が悪い
雨で関節痛みが再現
2022年6月2日
料理ができた。まだ重いフライパンなどは持てないが、包丁を握れるように。
2022年6月5日
動けるようになってきた
2022年6月12日
左の肘の変形が改善してきている感覚がある
2022年7月3日
足の関節が痛み、歩き方がぎこちない
2022年7月22日
足の関節は痛みがなくなる、足首の腫れがある
2022年7月27日
リウマチ因子220
CRP0.061
汗をかけるようになってきた
全体的に良い方向に
天気や体の調子に関節痛や腫れが左右される
考察
関節リウマチ・関節変形 鍼灸治療
初診時にご来院頂いた際は、痛みが強く、関節の腫れも強い状態で、症状のピークといった感じでとても辛そうでした。ただ、リウマチの症状は必ずピークアウトしてくるので上手く対処していけばリウマチ因子やCRPマーカーも下がってきますと伝えました。
3ヶ月程で症状はかなり変わってきます
Kさんのように初めは痛みがひどくて夜も眠れない程でもしっかり対処していく事でお料理が出来るほどになります。
自己免疫疾患などの重病な疾患全体に言える事は、辛抱強く次の季節を待つことです。
Kさんが初診に来られたのは5月。夏までの約3ヶ月を夏にしっかり適用するための準備期間というイメージで治療をしました。東洋医学では溫病(うんびょう)という考え方があり、前の季節に無理をすると次の季節に不調が出ると言うものです。
逆に良い準備をすれば、とても快調に過ごせるという事です。Kさんも7月27日には「汗をかけるように」とおっしゃっています。熱くなってきて気持ちよく汗がかけるという事が夏に適応している証拠だと思います。こういう方は良い方向に向かう事が多いです。
痛みが強く出ている状態が続くととても辛いですし、痛みを抑える薬を服用する事で副作用が出現したり、日常生活に支障がでてきます。
薬のみの対処では限界があると感じるケースも少なくなく、病院での治療が行き詰まっていると感じている方は是非、鍼灸治療を選択肢に検討して頂きたいです。
治癒力を引き出す糸口を見いだしてくれると思います。
2022年9月7日
気圧の変化が大きく関節の腫れと痛みが強く出る
2022年10月1日
リウマチ因子143
CRP0.307
リウマチ因子が下がってきたので、薬を一段階弱いものに変えてもらった
副作用も弱まり楽に。炎症マーカーも正常値内に。
治療効果が出ているので、2022年10月から治療回数を週1日にして頂く。
2025年2月22日(杉並閉院まで
それ以降も1週間おきに3年程通って頂きました。
関節症状は見違えるようになくなり、ゴルフをしたり日常生活を活発に過ごされている様子でした。
左肘の変形も完治しました。経過途中の2023年8月から写真を撮らせて頂いておりますので掲載致します。
