top of page

自然との向き合い方と循環について

長野に移住して変わったことの一つとして、感じる事は自然との距離が近くなった事です。

自然との向き合い方を考える機会がありました。


ある日、庭の樹木に害虫を見つけた時に反射的にすぐに駆除しました。

出来る範囲で排除して害がなくなったと安堵していたところです、駆除した害虫の姿を目にしてとても悪い事をしてしまったと言うモヤモヤした気持ちになりました。

そもそもこれは根本的な解決になっていないと言う事に気がつきました。

なぜ害虫がつくのか、害虫を駆除しても大元の原因がなくならなければ、対処療法になってしまう。


それから人間中心の快適さや見栄えの為に生き物や草を排除する事は果たしてどのような意義があるのだろう?

人間と虫、動物、植物とお互いに良い距離感、関係性を持つ事は出来ないのだろうか?

と考えていたところ、少し前から興味のあった「パーマカルチャー」の考え方が腑に落ちました。

パーマカルチャーとはパーマメントアグリカルチャー(永続的な農業)パーマメントカルチャー(永続的な暮らし)の2つの考え方があり、自然と人の関わり方・暮らし方のデザインを提唱しています。

いくつかの原則があり、その中に「自然への配慮」と「永続的な循環」と言う項目があります。

「自然への配慮」は人間という立ち位置からどのように配慮して自然と向き合うか。

また、「永続的な循環」とは自然は「自ら然る」ものとされ、無駄な事は何もなく、全てが循環の為の必然性を含んでいるを言う事を示しています。

つまり、害虫や雑草と呼んでいる植物にも自然界では大きな役割があるという事です。


今回の場合では害虫が植物につく事は植物が弱っていたり、風通しが悪かったり、その場所に合っていなかったり。害虫を駆除してもまた発生しやすい基盤があれば同じ事が繰り返されます。

発生しやすい基盤を変える事は自ら循環が出来る環境や条件を整える事。

樹木や野菜などの特徴を理解し、相互性を考え植栽していく事、そうする事で多様性が生まれ、脅かす害虫は少なくなっていく。

なるべく害虫や雑草を排除せずに循環するしくみに目を向けていきたいと感じました。

それが自分の中での虫や植物との関係性、良い距離感だと今は思います。


これは東洋医学の考え方にも通じる部分があると感じました。

病気や症状を抑える事ばかりに着目するのではなく、自分自身の体に着目し、病気や症状の発生する基盤を整えて、自身で循環できるサポートをする。体を一つの集合体と考え、相互バランスをとっていく。体でも自然と同じ要点が重要だと再認識しました。


また、パーマカルチャーの考え方は自然との向き合い方を通して、「つながり」を意識する事(家族、社会、地域、自然...)の重要性を教わりました。人や社会とコミュニケーションやサービスによってつながる事。自然と土や野菜を通してつながる事。風土を理解し、種を蒔く事で無から有を作り、そこに多様性が生まれる。これが自然とのつながりで、自分にとても豊かな気持ちをもたらしてくれます。


そして、自分の鍼灸治療が人の体や気持ちに影響し癒やしの体験や循環していくサポートになる事はこれ以上ない豊かさだと感じています。

一人でも多くの方にサポート出来るよう、自然との向き合い方を通して学んだ教訓を活かしていきたいと考える秋の夜長です。

  伊那谷の美しい錦秋 
  伊那谷の美しい錦秋 





 
 
 

コメント


  • Facebook Social Icon

【診療時間】

水・木・金・土・日

10:00ー18:00

休診日:月曜日・火曜日

bottom of page